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実習体験レポート

「患者さんのために自分がやる」自覚した瞬間から理解力が増した

吉田 雄太  YUTA YOSHIDA

看護学部看護学科4年 出身校:県立西脇工業高等学校(兵庫)

吉田 雄太  YUTA YOSHIDA

Q.実習で大変だったことは?

一番初めの実習で痛感したのは、自分がいかに知識不足であるかということ。これは大変だと思いました。看護は人の命を扱う仕事。患者さんの症状を診て、なぜそうなるのか、そういう場合はどうしたらいいのか、それがわからないと看護はできませんから。例えば患者さんの身体を拭くという行為ひとつとっても、まずは根拠に基づいた方法を身に着ける必要があります。そしてその知識を理解したうえでさらに、個別性まで考えなければなりません。最初は、自分のあまりの知識のなさに不安を感じていました。でも「患者さんのために自分がするんだ」と自覚できたことで、急に勉強に対する意欲もわき、知識もすっと頭に入ってくるようになりました。実際の現場を見ることで、机上で学んだ知識の原理を理解することができたからでしょうか。

Q.実習で印象に残っていることは?

最も印象的だったのは出産に立ち会ったことです。分娩台で苦しそうにしている妊婦さんを見て、何かしてあげたいという気持ちはあったものの、なかなか手を出せない無力の自分がいました。2時間弱かかって、無事赤ちゃんが生まれた時には、今までに味わったことがないくらい感動し、涙をこらえるのにとにかく必死で…。生命の尊さを感じた瞬間でした。それとは逆に「死」に直面したのが、3回生になってから2度目の実習。97歳の患者さんを担当した時のことでした。金曜日には病状が落ち着いておられた患者さんが、翌日の土曜日に亡くなられたんです。休み明けの月曜日に病院でその事実を知り、一瞬何も考えられなくなりました。患者さんがもういないということに、全く実感がわかなかったんです。高齢者の方は、息をすることやご飯を食べることなど、普段僕たちが何気なく行っているひとつひとつの行動に一生懸命。この患者さんのケアを通じて、生きることの価値と大変さを学びました。そして、もっとこうしてあげればよかった、もっといい援助がしたかったと、沢山後悔をした印象的な実習でした。

Q.実習で嬉しかったことは?

92歳の方の食事介助をした際のことです。食事のペースがわからず、きちんと飲み込めているかを確認するために、患者さんの口の中をのぞいていたのですが、「自分がもしそうされたら嫌でしょ?患者さんの立場に立って考えなさい」と、看護師さんに注意されました。僕はとにかく、患者さんが食べ物を喉に詰まらせたらいけないと必死で、患者さんの気持ちを考えるところにまで、頭が回っていなかったんです。その注意を受けてからは、スプーンにのせる量を少なくして、口へ運ぶ際にさりげなく確認したり、水分と一緒に摂ってもらって飲み込みやすくしたりと工夫するようになりました。看護計画を立てる際には、カルテに載っていないようなことまで知る必要があります。細かな情報を収集するためには、患者さんとのコミュニケーションが重要な鍵となり、何より、相手の気持ちになって考えることが大切であると、この実習で学びました。僕は患者さんと接していると、ついつい熱くなってしまいます。そして、患者さんのために何ができるかを考えるあまり、ひとつのことしか見えなくなって空回りしてしまうことも…。そんな時には、先生や現場の看護師さんが色々なケースを提示しながらフォローしてくれ、どういう風に動くべきかを導き出してくれました。学生である今、できることは限られていますが、コミュニケーションを通じて患者さんの心をケアすることはできると思います。自身の入院経験を生かし、寂しいという気持ちや病気の回復への不安を、少しでも軽減させることができれば嬉しいです。

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