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看護学部・看護学科4年 出身校:県立耐久高等学校(和歌山)
当たり前なことかもしれませんが、実際の医療の現場は、テレビドラマでイメージしているようなものとは全く違います。はじめは命に関わる現場に自分が立ち会うことに対して、恥ずかしながら多少の不安を感じていました。最初に担当したのは、寝たきりで、動くことも喋ることもできない患者さんでした。文字盤を使う、もしくは、目の動きだけでかろうじてイエス・ノーを伝えられるというような状況で、看護師さんですら、コミュニケーションとるのが難しいと言われていた方でした。

相手からの意思表示がほとんどない状態で、どうコミュニケーションをとっていけばいいのか、最初のうちはとても悩みましたね。僕が学生ということもあり、初めは患者さんも不信感を持っておられたようです。でも、実習中、毎日ほぼつきっきりで生活の全面介助をさせていただくうちに、次第と患者さんの表情が変わってきて笑ってくださるようになりました。ケアを通じて僕の心が伝わったのでしょうか。その時はものすごく嬉しかったです。
訪問看護の実習で、山奥に住んでいる90歳台の方のお宅を訪ねました。これまでは、なぜ病院で治療するという選択をせず、在宅治療を望まれるのか、その理由をいまいち理解できていませんでしたが、慣れ親しんだ地域への愛着や、地元の人達との付き合いなど、患者さんの想いや置かれている状況を目の当たりにして、訪問看護や地域医療の重要性に気付くことができました。また、今までは特に意識していませんでしたが、男性の看護師に対するニーズも、実習を通して感じることができました。単純に力が強いという部分だけではなくて、看護される側が男性の患者さんの場合、看護師が同性である方が心を許してくださることもあるようです。僕が患者さんのひげを剃った際に、「男の人にやってもらったから、いつもと違う!」と喜んでくれた方が何人かいらっしゃったんですが、そんな些細なことも含め、男性であるからこそ実現する、看護の可能性を実感しました。
看護師さんにアドバイスしていただいた「患者さん目線になって、自分が看護される立場だったら、どうして欲しいかを考える」ということをテーマに、患者さんに病院生活を快適に過ごしてもらうためにどうすればいいのかを、とにかく自分なりに考えて実践することを心がけました。麻痺の影響で押すことができなかったナースコールを、小さい力でも押せるよう、ボタン部分に細工をほどこしたり、日光が反射してテレビが見え辛くなるのを防ぐため、午後からはブラインドを降ろすようにしたり。自分がしたことに対して患者さんが喜んでくださった時には、僕自身も喜びを感じることができました。患者さんが何を欲しているか、どんなことに不便を感じているか、観察することも大事なんだと改めて実感しましたね。臨床実習を通じて、一歩どころか二歩三歩、夢に近づけた気がします。自分が患者さんの生活の一部になっていることを実感できるようになってから、僕自身の存在意義を感じられるようになったんです。それと同時に、よりいっそう看護師になりたいという気持ちが強くなりました。患者さんの立場に立って考えられる看護師として、もっともっと沢山の人の役に立ちたい。それが僕の一番の願いです。
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