研究科長松村惠子
看護学研究科長からのメッセージ
関西看護医療大学大学院が位置する淡路島は、国生み神話において、最初に生まれた島とされています。伊弉諾(イザナギ)と伊弉冉(イザナミ)が天の浮橋から海に矛を差し込み、かき混ぜた後に引き上げた際に、矛の先から滴り落ちた海水が固まってできた最初の島が、現在の淡路島にあたると伝えられています。
この淡路島に、ただ一つの看護学研究科では、建学の精神≪一隅を照らす≫の下、教育理念 ≪生命の尊厳と畏敬、そして深い愛と癒しの心を持つ豊かな人間性と高い倫理観を備え、高度な専門知識と看護実践力を持つ高度専門職業人の育成と、科学的思考力に基づいた探究心と創造性を高め、信頼性の高い研究成果を発信する研究力を持つ教育者・研究者を育成することにより看護学の発展と保健・医療・福祉の質の向上を目指した社会貢献に寄与する≫ を掲げています。
本研究科には、「慢性看護学分野」「地域看護学分野」「メンタルヘルス看護学分野」「看護管理学分野」「母性看護・助産学分野」、5つの看護学分野があります。是非、各分野の紹介ページをご覧ください。皆さまが選択した専門領域における研究課題や、学問的課題に取り組む過程では、必ずや、すぐれた智慧、深く物事の道理に通じる「人の叡智」に辿り着くでしょう。
哲学者のサルトルは、「実存は本質に先立つ」と伝えています。本研究科では、深く考え、語り、書く、研鑽を積む、様々な時間を生きることによって、人間の意識は変動を繰り返し、その瞬間ごとに実存する「新しい自分」との出会いを実感できます。
20年前の夕暮れ、道端で幸せのクローバーを捜していました。通りかかった学生から「何を捜しているのですか」と問われ、「四葉のクローバーがみつからない」と答えると、学生は「先生が今、幸せだからです」と笑っていました。少し疲れていた私は、この笑顔に支えられ、人の心を思う豊かな感受性に安らぎ勇気づけられました。私は今も、生と死が円環的に繋がるケアの空間に佇み、愛を刻む「癒し」の情感を基軸にして、人間に起こる「喜怒哀楽」や「生老病死」という現象に学問的関心、研究的探究心、色々な心で「いのち」と向かい合っています。
本研究科での学びは、看護専門職業人としての知と技と心が生涯にわたって発達していることを実感し、必ずや、さらに支え、支えられて「生きる力」の確かな土台になると思います。
松村 惠子
KEIKO MATSUMURA 研究科長・母性看護助産学分野 特任教授- 専門分野
- 分化(看護学)、細目(生涯発達看護学:母性看護学・助産学・生涯発達学)
- 研究課題
- ①母性意識の構造と発達(文化的背景と性役割、性アイデンティティ・子育てとの関係) ②子育て支援方法(乳幼児虐待、母親の育児ストレス、母乳育児)、助産師の専門的な生涯学習と生涯発達支援(学習動機づけ過程、助産師のキャリア発達)
- 研究概要
- 母性意識の構造と発達を軸として、人間性の発達として母性と父性を位置づけています。この発達が子育てという人間の営みに、親性や育児性に、どのように繋がり生涯発達していくのか。博士論文で開発した測定用具「母性に関する認知」と「乳幼児に対する関わり意識」を用いて、乳幼児虐待予防など、子育て支援の一助となる方法について探っています。