先生のメッセージ

message KYOKO KODAIRA

看護学部看護学科 特任教授小平京子

あなたがもがいているとき、
わたしも一緒にもがいている。

本学で学ぶことの良さを学生に聞くと「教員と学生の距離が近い」という言葉がよく出てきます。その言葉の通り、在学中も卒業後も、学生たちは気兼ねなく、事前の連絡もなく(笑)、研究室や事務局にやってきます。これは、実は、教員同士の距離が近いことが大きく関係しています。学生の情報を共有し合っているんですね。教員や事務局員が学生一人ひとりの性格や現状をよく知っているので、安心して相談できるのだと思います。信頼関係ができていたら、厳しいことも言いますし、放っておいて欲しい学生は放っておくこともできる。「淡路島は第二の故郷」そんな風に言ってくれる学生が多い理由かもしれません。
さらに、半年に及ぶ臨地実習では学生5人に1人、教員がサポートに入ります。教員のほぼ全員です。このとき、教員は自分の専門分野外の病棟を担当することも多々あります。これにより「専門分野以外は教えられない」ことがなくなり、学生は教員側の分野の壁で混乱せずに学びを進められます。
また、教員が実習の場にいるからこそ、学生一人ひとりの向き不向きを把握することができるのです。本学では、伸び悩んでいた学生が、ある日急に成長する光景を多々目にします。それは教員が学生について深く知り、克服すべき点について、一丸となって立ち向かっていけるからではないでしょうか。

message CHIZURU KAMIYA

看護学部看護学科 教授神谷千鶴

医者ではなく、
看護師にしか治せないものがある。

病院看護に代わって在宅看護が急増していく時代に入りました。本学は、専用の医療機器もない、病院とは違う環境でも力を発揮できる人材を育てることを前提にしています。そのために、開学当初から独自のカリキュラム構成に力を入れています。
全く違う、しかもたくさんの分野の勉強を同時に進めていくのが看護という学問です。どの段階で何を学び、どの科目を並行させるのか、より自然な流れで体に染み込ませられるように改訂を重ねています。また、独自の方針として「看護診断過程」を徹底して訓練します。新たな局面を迎えている看護の現場では、経験や勘だけではもう通用しません。看護診断を通して思い込みや思いつきではなく、事実から情報を収集・分析し、問題を見つけて解決する力を養います。
その中に、解決方法の一つとしてタッチングや関節可動域訓練などの演習があります。これによって、看護師自らが投薬や手術以外の手段でもある治療方法を実践できるようになるのです。先日も臨地実習の短い間に、学生が担当した患者さんが見違えるほど良くなり、実習先の病院の方々まで驚かれることがありました。
看護師の仕事は医者の手伝いだけではないのです。勤務先も病院だけではありません。新しいライフスタイルや働き方が台頭する中、看護師も時代に沿って変化し、進化し続けています。

message YUMIKO NISHIMURA

看護学部看護学科 准教授西村由実子

「朝日と夕日を観察して来なさい」
これも、学生の気づきにつながる。

私は看護の専門家ではありません。大学卒業後は青年海外協力隊やWHOに籍を置き、途上国で人口問題やエイズの予防に携わりました。その経験から「公衆衛生学」を担当しています。
ここは勉強に集中できるとてもいい環境。でも、学生時代には「ムダ」と思える時間も機会も必要です。多様な考え方を知り、いろいろな視点を持てるように、私の授業ではあえて外に連れ出すフィールドワークを取り入れたり、一見看護と全然関係ないように思えるアプローチをしています。
そんな余白をありとするのも、学生を一人の人間としてしっかり育てたいから。教員だけでなく、事務局員までもが、単に感情的に世話を焼くというのではなく、学生のことを考え抜き、その本人のタイミングを大事にサポートしていく。こんなにも会議で学生の話が多く出たり、裏側で学生の成長に涙したりする大学もなかなかないのではないでしょうか。
そんな想いが、学生にも伝わっているのでしょう。他の先生に聞いた話なども含めると、結婚などの報告はもちろん、普通だったら伝えにくいような報告でさえしに来てくれます。何かあったときには「自分を知ってくれている場所でゆっくりしたい」と思っているのでしょう。訪ねてくる卒業生たちを見ていると、彼ら彼女らの成長をこれからも見守り応援したいと感じています。